20世紀F1大賞



2000年12月、「F1グランプリ特集」という雑誌で、「20世紀F1大賞」という企画がありました。 これは、現役・歴代ドライバーを含むF1関係者、ジャーナリスト、 一般のファンの投票で20世紀のF1を15部門に渡る項目でベスト・ワーストを決定しようというもので、 私も投票しました。ここでは私の投票とその理由、そして全投票結果をご紹介します。



1. 20世紀F1MVP

アイルトン・セナ

最速の記録と記憶を併せ持ち、トップを走ったまま天に旅立ってしまったその神秘性はF1界で最も輝いていた。 私達は、セナのドライビングはもちろん、F1という次元を超えて目標に向かいひたすら努力する姿に感動したのだと思う。 セナは20世紀のF1の象徴としてこれからも私達の心の中でトップを走り続ける。

(全投票結果)
1位
アイルトン・セナ
352票
2位
フェラーリ
284票
3位
バーニー・エクレストン
193票
4位
エンツォ・フェラーリ
127票
5位
コーリン・チャップマン
43票
6位
ミハエル・シューマッハー
40票
7位
ファン-マヌエル・ファンジオ
28票
8位
ホンダ
24票
9位
アラン・プロスト
16票
10位
ウイリアムズ
15票



2. 20世紀ベストF1ドライバー

アイルトン・セナ

志半ばの事故によりすべての記録の更新はできなかったが、セナはトップを走ったまま天に旅立った。 これは、セナの記録は超えられてもセナ自身には誰も追いつくことすらできないことを象徴している。 予選の一発の速さ、レースでの的確な判断とギリギリの攻防は誰にも真似できない「芸術」だった。 今後このような投票募集があっても、セナだけはランク外、「別格」だと思う。

(全投票結果)
1位
アイルトン・セナ
713票
2位
ミハエル・シューマッハー
186票
3位
アラン・プロスト
104票
4位
ファン-マヌエル・ファンジオ
95票
5位
ジル・ビルヌーブ
64票
6位
ジム・クラーク
42票
7位
ミカ・ハッキネン
35票
8位
ニキ・ラウダ
27票
9位
ジャン・アレジ
23票
10位
ナイジェル・マンセル
18票



3. 20世紀ベストF1マシン

マクラーレン MP4/4 ホンダ('88年)

16戦15勝、それもすべて自力で勝ち取ったレースで他を圧倒していた。セナ、プロストの力もあるが、 これはシャシー、エンジン、その他すべてのマシン的要素が非常に高度にかみ合ったからだと思う。

(全投票結果)
1位
マクラーレン MP4/4 ホンダ
434票
2位
ウイリアムズ FW14B ルノー
344票
3位
ウイリアムズ FW15C ルノー
68票
4位
ロータス 79 フォード
59票
5位
フェラーリ F1-2000
52票
6位
ロータス 72 フォード
40票
7位
ロータス 78 フォード
37票
8位
マクラーレン MP4-15 メルセデス
25票
9位
フェラーリ 641/2
22票
10位
マクラーレン MP4-13 メルセデス
15票



4. 20世紀もっとも格好良かったF1マシン

ウイリアムズ FW18 ルノー('96年)

強いマシンは自ずと格好よく見える。このマシンは、特別革新的ではなかったが、無駄な部分を削り取り、 最先端の流行を取り入れつつ基本に忠実で、シンプルで格好良かった。実際ダントツに強かったから。

(全投票結果)
1位
フェラーリ 641/2
108票
2位
ロータス 79 フォード
77票
3位
ジョーダン 191 フォード
71票
4位
フェラーリ 640
57票
5位
フェラーリ F92A
51票



5. 20世紀もっとも格好悪かったF1マシン

マクラーレン MP4/10 メルセデス('95年)

インダクションポット後方に取り付けられたセンターウイングが、ただ取って付けただけのようで、 またそれを付ける為にマシン後方のシェイプさにも欠け、その上大して強くなかったから。

(全投票結果)
1位
マクラーレン MP4/10 メルセデス
192票
2位
フェラーリ F310
95票
3位
ティレル P34 フォード
56票
4位
ティレル 025 フォード
50票
5位
ライフ L190
44票



6. 20世紀ベストカラーリングF1マシン

マクラーレン MP4/6 ホンダ('91年)

今はもう存在しないが、長年に渡りF1を象徴していたのは赤白のマクラーレンだったと思う。 その中で最後にチャンピオンを獲得した'91年型マシンを選出したい。 小さなスポンサーロゴなどもなく、すっきりしていて良かった。

(全投票結果)
1位
ジョーダン 191 フォード
102票
2位
JPSカラーのロータス
95票
3位
ベネトン B186 BMW
83票
4位
ジョーダン 197 プジョー
48票
5位
ウエストカラーのマクラーレン
41票



7. 20世紀ワーストカラーリングF1マシン

ローラ T93/30 フェラーリ('93年)

マシンの上半分が白、下半分がオレンジでその境目が黄色でギザギザになっているところが安っぽいイメージを与えた。 強ければ格好良く見えるかもしれないが、実際この年の最弱だったということも含めての選考。

(全投票結果)
1位
BAR 01 スーパーテック
205票
2位
ローラ T93/30 フェラーリ
89票
3位
ブラバム BT60B ジャッド
61票
4位
ウイリアムズ FW20 メカクローム
52票
5位
ジョーダン 196 プジョー
47票



8. 20世紀ベストF1チーム

マクラーレン

創設以来安定した成績を残し、特にロン・デニス加入後は設備はもちろんF1に対するアプローチも近代的・合理的になり、 それまでの油まみれの自動車レースに初めて本格的に今日のような総合的管理体制をひいた。

(全投票結果)
1位
マクラーレン
588票
2位
フェラーリ
476票
3位
ウイリアムズ
81票
4位
ロータス
39票
5位
ティレル
35票



9. 20世紀ベストF1マシンデザイナー

エイドリアン・ニューウェイ

ターボエンジンの全盛期からシャシーの空力や総合力に力を注ぎ、新しい要素を取り入れつつ堅実なマシンを造り、 空力性能を中心としたマシンの全体的バランスが重要になった今日のF1の基礎を創った。

(全投票結果)
1位
エイドリアン・ニューウェイ
551票
2位
コーリン・チャップマン
311票
3位
ジョン・バーナード
155票
4位
ゴードン・マレー
103票
5位
ハーベイ・ポストレスウエイト
52票



10. 20世紀ベストF1エンジン

ホンダ RA122E/B('92年)

'92年、シャシー性能と総合力で勝るウイリアムズ・ルノーにチャンピオンを奪われたが、コーナーの立ち上がりや、 ストレートスピードの伸びなどからこの年のホンダエンジンは史上最強だった。

(全投票結果)
1位
ホンダ RA168E
347票
2位
フォード・コスワース DFV
268票
3位
ホンダ RA122E/B
89票
4位
ルノー RS4
45票
5位
メルセデス FO110J
32票



11. 20世紀ベストF1エンジンコンストラクター

ホンダ

コンピュータテレメトリーなどハイテク機器をいち早く導入し、最強のエンジンを造っていたという技術的な面もあるが、 本田宗一郎氏からの、常に勝利を目指し新しいことに挑戦し続けた精神的姿勢に感銘を受けた。

(全投票結果)
1位
ホンダ
672票
2位
フォード・コスワース
324票
3位
ルノー
139票
4位
フェラーリ
122票
5位
メルセデス・ベンツ
43票



12. 20世紀ベストシーズン

1991年

グランプリの主役(セナ、プロスト、マンセル)、二癖ある脇役(ピケ、ベルガー、パトレーゼ)、 粋のいい若手(アレジ、シューマッハー)、健闘する日本人(中嶋、亜久里)など役者がそろい、 それぞれがクリーンで高度なバトルを繰り広げていたから。

(全投票結果)
1位
1988年
144票
2位
1986年
140票
3位
1991年
137票
4位
1990年
135票
5位
1993年
132票



13. 20世紀ワーストシーズン

1994年

ラッツェンバーガーとセナの死亡事故だけでなく、レース中・テスト中、あらゆる場面で重大事故が多発。 チャンピオン決定も最後シューマッハーが体当たりしたようにも感じられ、最悪ですっきりしないシーズンだった。

(全投票結果)
1位
1994年
584票
2位
1988年
113票
3位
1995年
107票
4位
1992年
104票
5位
1999年
59票



14. 20世紀ベストレース

'93年第3戦ヨーロッパグランプリ(ドニントンパーク)

雨の中、セナが非力なマシンで4~5台を一気にぶち抜いたあのオープニングラップがF1史上もっとも偉大な瞬間。 特にコース上のバトルが少なくなった今日のF1では誰にも真似できないセナの「芸術」だったと思う。

(全投票結果)
1位
1992年 モナコGP
280票
2位
1993年 ヨーロッパGP
128票
3位
1988年 日本GP
67票
4位
1990年 アメリカGP
48票
5位
1986年 オーストラリアGP
45票



15. 20世紀ワーストレース

'94年第3戦サンマリノグランプリ

バリチェロの鼻骨骨折、ラッツェンバーガーとセナの死、さらにピットクルーや観客のけがなど、 F1のみならずモータースポーツ史上最悪のレースだった。

(全投票結果)
1位
1994年 サンマリノGP
588票
2位
1990年 日本GP
95票
3位
1989年 日本GP
52票
4位
1999年 マレーシアGP
32票
5位
1997年 ヨーロッパGP
22票



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