1. はじめに「1994年サンマリノGPの7周目、セナは何事もなく激しく火花を上げながらタンブレロコーナーを走り抜けていった…」セナファンなら誰もが、そうであったらよかったのにと悔やみ、そしてその後のセナの活躍を夢見る。 セナが生きていたら何度チャンピオンに輝き、何回優勝し、PPは果たしてどこまで到達したのか…。 ここでは、私がセナファンの立場から、当時の状況やセナの生前の意志を参考にしながら、 できるだけ客観的、そしてシンプルに「その後」を予想してみたいと思います。 しかしこれは科学的根拠が全くなく、またひとつの事象が変化すれば全てに派生して影響を与えていきます。 あくまで私の希望をこめた「予想」と捉えていただければ幸いです。
2. シーズン別予想【1994年 セナ34歳 ウイリアムズ】序盤戦で不安定なマシンに苦しまされたセナだったが、中盤以降安定感を取り戻し反撃開始。 シーズン終盤(最終戦)までもつれ込み、最後にセナが土壇場の強さを見せてチャンピオン。 実際、チームメイトのヒルがシューマッハーと互角に戦っていたことからも、 チャンピオンは十分に考えられる。 優勝8回前後、PP12回超、チャンピオン獲得(私的予想 ○)
前年の教訓を生かしバランスが向上したマシン FW17 を駆り、セナは開幕から快進撃。 かなりの確率で、それも圧倒的な強さでチャンピオンに輝くと予想。 一部の関係者やファンは「94年はセナで95年はシューマッハー」と予想する人も少なくないが、 私は逆に、94年シューマッハーが王座になることはあっても、95年はセナが圧勝すると考える。 優勝10回超、PP14回超、チャンピオン獲得(私的予想 ◎)
優勝4回前後、PP5回前後、ランキング2~3位か
優勝8回前後、PP10回前後、チャンピオン獲得(私的予想 ○)
2. 通算成績予想上記のシーズン別予想に、93年までの実際の成績を単純に加味すると次のようになる。
実際(93年以前)…優勝41回、PP65回、チャンピオン3回 合計(実際+予想)…優勝71回、PP103回、チャンピオン6回
3. ライバルへの影響もしもセナが90年代後半まで現役を続けていれば、当然他のドライバーにも影響を及ぼしてくる。 まず最初に考えられるのが、優勝91回、PP68回、チャンピオン7回という とてつもない記録を打ち立てたシューマッハーだ。 セナが生きていれば、この数字が多少なりとも減ったことは予想できる。 さらにセナとの激闘による経年疲労等によって選手生活も短くなったかもしれない。次に、セナの後を継いでウイリアムズのエースになったヒルとビルヌーブである。 ヒルは96年、ビルヌーブは97年にチャンピオンを獲得している。 しかし、セナとシューマッハーが激しくタイトル争いをする中で、 彼らが年間を通じて2人の間に割って入ることは、よほど優れたマシンに乗らない限りあまり想像できない。 実際、セナとヒルは3戦のみだが同チームで戦い、予選では0.5~1秒程の差が生じていた。
私の予想では、セナが現役を続けていれば、
ヒルとビルヌーブのチャンピオン→セナ になると考える。 チャンピオンになる順番等は多少の変動はあるものの、単純に考えて最終的にこのように落ち着くような気がする。 そうするとセナとシューマッハーは共に6回のチャンピオンを獲得することになる。 また優勝回数も同程度の70勝前後、PPに関してはセナが圧倒していたのではないかと予想する。 実際に打ち立てたシューマッハーの記録は偉大であることには変わらないが、やはり特異な時代だった。 それだけシューマッハーが優れているとも言えるが、セナの時代やそれ以前に比べてライバルが少なく、 またシューマッハーのドライビング特性に特化したマシンのアドバンテージとチームオーダーに支えられていた感があった。 またセナが現役を続けていたら、シューマッハーの数字的記録は少なくなっても、 セナと名勝負を繰り広げることでシューマッハー自身の評価は逆に高くなったような気がする。 シューマッハーはあれだけの成績を残した割には、関係者やファンからの評価はそれほど高くない。 これはシューマッハーの責任ではないが、大記録と引き換えに何かを失ってしまったようにも感じる。 数字的記録は少なくなっても、やはりセナがいる中で通常の世代交代が行われた方が、 シューマッハーにとってもF1界全体にとっても自然でよかったことではないのだろうか。 歴史的に見て、どのような世界・社会でも自然と「勢力均衡」が保たれるのが通常である。 勢力はバランスよく均等に分かれ、長らく「一人勝ち」することができないのが世の常である。 セナが90年代後半まで現役を続けていたとしてその後を予想すると、 不思議とF1界全体のバランスが取れると思うのは私だけであろうか?
4. おわりにここまで私的で希望も込めた予想をしてきました。 気分を害された方がいるとしたら申し訳ございません。 科学的根拠の全くない、一人のセナファンの「ひとりごと」だと思っていただければと思います。セナが事故に遭わなくても早期引退していたかもしれないし、 逆に私の予想以上に40歳になる2000年頃までレース界を引っ張り、とてつもない記録と記憶を残していったのかもしれません。 そうだとしたら、低い予想をしてしまったことに対しアイルトンには申し訳ない気持ちです。 セナは、「予想」をはるかに超えた存在だったのかもしれません。 誰とも比較にならない、絶対的な存在として。 永遠のワールドチャンピオンとして…。 |