34歳1カ月、計12460日…これがセナの生涯である。
コーナーを駆け抜けるその姿のように、一瞬の、しかし眩い輝きだったのかもしれない。
もしセナが生きていたら…40歳近くまでレースをして、その後は政治家になっていたのか、福祉活動に力を入れるのか…。
意外にも現役引退後はF1レースそのものにはそれほど関わらなかったのではないかという気がする。 私事ですが昨年34歳を迎え、いつしかセナの生きた年月を越えた。 アスリートと一般人の違いはあるにせよ、34歳というとまだまだこれから、 というよりは、自分で道を切り開くといった意味ではまだ何も始まっていないと言えるのかもしれない。 少なくとも自分自身はそうだ。 しかしセナはこの歳ですでに頂点を極め、長いF1の歴史上でも最も偉大だと多くの関係者やファンから称えられてきた。 そんなセナと比べるなんておこがましいのであるが、私自身もセナの生き方に憧れ、共感してきた者として、 少しでもセナに近づけるように生きていきたいと改めて思った。 私の中でセナが教えてくれた最も大きなものは、「常に全力を尽くすこと」… セナはF1レースというものを通してこのことを伝え、 多くのファンはその姿勢に共感していたような気がする。
1993年ブラジルGPの予選後のインタビューがとても印象に残っている。 どんな状況でも夢や目標に向かって全力を尽くすこと…。 立場や生きる世界が異なっても、セナの「あの時」と同じ34歳になった今、改めてセナが教えてくれたことを胸に刻み、 自分の道に誠意を込めて、全力を尽くしていきたい。
2013年5月1日 異国の一人のセナファンより
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