1985年6月21-23日
アメリカ デトロイト市街地コース
この年のアメリカGPの舞台となるデトロイトは市街地コースで、
荒れた路面とマンホールがクセ者である。
「前年よりもさらにコース状態が悪化している」とはセナ。
これにより、タイヤチョイスが非常に難しくなってくる。 金曜予選、セナは決勝用の軟らかめのタイヤでアタック。 4周目には2位マンセルを1秒以上引き離してトップタイム。 土曜は雨でセナがそのままPPを獲得した。 予選ではここ5戦で4回のPP、2位1回。「速さではセナ」が完全に定着した。 決勝レースはセナがPPから最初の7周の間トップを走るが、 タイヤチョイスに失敗してピットイン。 一気に14位まで順位を落とす。 その後セナはもう一度ピットイン、タイヤ交換を余儀なくされるが、そこから猛烈に追い上げる。 29周目には入賞圏内の6位、31周目には5位、 45周目にはステファン・ベロフ(トールマン)をかわして4位にまで浮上。 さらに勢いは止まらず、3位走行のミケーレ・アルボレート(フェラーリ)に、 2~4秒以上速いラップタイムで追い上げる。 そして51周目にはFLを記録し、52周目にはアルボレートの背後について隙をうかがうが、 セナがアルボレートに集中しすぎたことに加え、ブレーキが軽くなりはじめたことと、 荒れた路面という要素も重なり、タイヤバリアに直角に近い角度で激突した。 激しいクラッシュで、セナはステアリングホイールを握っていた 右手を軽く痛め包帯を巻く羽目になったが、 幸いにも大事には至らなかった。 この頃はまだレーサーとしての本能・情熱が強すぎて、 前を走っているマシンをいち早く抜くことに 意識が集中しすぎてしまったこともあったように思えるが、 後に情熱と冷静さを兼ね備えるクレバーなレーサーへと成長していった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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PP |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'42"051 |
2位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'43"249 |
3位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'43"748 |
4位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'44"088 |
5位 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'44"156 |
6位 |
デレック・ワーウィック | ルノー | 1'44"163 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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優勝 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚55'39"851 |
2位 |
ステファン・ヨハンソン | フェラーリ | 1゚56'37"400 |
3位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1゚56'43"021 |
4位 |
ステファン・ベロフ | ティレル・フォード | 1゚56'46"076 |
5位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1゚57'06"817 |
6位 |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 51周、アクシデント |
FL |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'45"612 |