1985年8月23-25日
オランダ ザンドフールト
前戦オーストラリアで、第2戦ポルトガルGP以来の久々の入賞・表彰台を決めたセナ。
前半戦から中盤戦にかけて、予選での速さはピカイチなのだが、
決勝レースではマシントラブルに悩まされた。
終盤戦はなんとか決勝での結果を出していきたいところだ。 しかしセナは出鼻をくじかれる。 金曜午前のフリー走行でセナのマシンから出火し、 消火器を持ったマーシャルのところまでコースをショートカットして向かった。 しかしこの行為が危険と判断され、罰金5000ドルと警告が言い渡された。
これに対しセナは傷つき、また反論する。 金曜午後の予選ではPPのピケ(ブラバム)が一歩抜け出し、ロズベルグ(ウイリアムズ)、プロスト(マクラーレン)、セナが 僅差で続く。土曜日は雨が降り、金曜の順位がそのままグリッドになった。セナは4位からのスタート。 決勝レースでは、PPのピケがストール。 セナは混乱を切り抜け好スタートを切りロズベルグに続く2位にジャンプアップ、 序盤戦はしばし2位のまま周回を重ねる。 しかし14周目、自力に勝るマクラーレンのプロスト、ラウダがセナをパスしていき、セナは4位へと落ちる。 レースは、トップを走るロズベルグが20周を終了したところでエンジントラブルのためリタイアを余儀なくされる。 またこの頃から各車タイヤ交換のためピットイン。セナは2~4位の間で走行する。 各車タイヤ交換を終え順位が落ち着くと、ラウダ、プロスト、セナの順になっていた。 プロストはラウダを必死に追いかけるが、セナのマシンにはエンジンにトラブルを抱えていた。 「絶対に完走できないと思っていたよ」というセナだったが、大切にマシンをコントロールしていく。 そしてなんとかファイナルラップへ。トラブルを抱えていたこともあり、 優勝争いを繰り広げるマクラーレンの2台からは大きく引き離され、 さらに後方からはアルボレート(フェラーリ)からのプレッシャーを受けていた。 そしてアルボレートはシケインでセナに仕掛ける。
アルボレート:「セナに妨害された」 セナはなんとかアルボレートからの攻撃を退け、0.3秒差で3位を守りきった。 トラブルを抱え、最後はアルボレートに攻められながらも、2戦連続で表彰台に上がった。 優勝は最後までプロストを抑えきったラウダ。しかしこれが結果的にラウダにとっての最後の優勝になってしまった。 表彰台にはラウダ、プロスト、セナ。プロストはラウダから学び、セナも後にプロストから様々なものを吸収していく。 70年代の名ドライバーから80年代のニューヒーローへ。 時代は確実に新しい世代へと引き継がれていった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1'11"074 |
2位 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'11"647 |
3位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'11"801 |
4位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'11"837 |
5位 |
テオ・ファビ | トールマン・ハート | 1'12"310 |
6位 |
パトリック・タンベイ | ルノー | 1'12"486 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ニキ・ラウダ | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚32'29"263 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚32'29"495 |
3位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1゚33'17"754 |
4位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1゚33'18"100 |
5位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1Lap |
6位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1Lap |
FL |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'16"538 |