前戦アメリカGPで優勝し、ポイントリーダーとしてヨーロッパラウンドへ乗り込んできた。
強力なホンダエンジン擁するウイリアムズやマクラーレンの戦闘力を考えると、
セナはロータスのポテンシャルを100%以上引き出し、実力以上の成果を上げている感がある。 ポール・リカールではこの年の5月に、 セナの前年のチームメイトであるデ・アンジェリスがテスト中に事故死した。 その影響でコースは改修・短縮された。 ルノーはここ地元フランスで新バージョンのエンジンを投入した。 セナはそのエンジンで金曜、土曜ともに最速。 土曜予選ではブーツェン(アロウズ)とデ・チェザリス(ミナルディ)が撒き散らしたオイルのせいで、 セナを含め多くのドライバーがタイムを上げることはできなかったが、 それでも2戦連続でPP獲得。 決勝レースでは、スタート直後の1コーナーで予選2位のマンセル(ウイリアムズ)に先行され2位を走行。 しかし4周目、デ・チェザリス(ミナルディ)がエンジンブローしオイルを撒き散らした。 セナはこのオイルに乗ってコントロールを失いコースアウト、タイヤバリアに激突した。 「オイルに気がついたときは遅かった。失敗してしまったね。弁解はしない。」 (「生涯 アイルトン・セナ」より) セナ自身の完全なミスによるリタイアは極めて少ない。 単独でコースアウトしても、そこには何かしらの理由があることがほとんどだ。 今回はセナが自らのミスを素直に認めたが、 オイルによるコースアウトとうことで、完全なミスとは言えないのかもしれない。 ともあれこれでチャンピオンシップ争いは3位に後退してしまった。 ルノーエンジンのパワー不足が指摘される中、 しかしセナは自らの腕と速さでウイリアムズやマクラーレン勢に対抗していくのだった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'06"526 |
2位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'06"755 |
3位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'06"797 |
4位 |
ルネ・アルヌー | リジェ・ルノー | 1'07"075 |
5位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'07"266 |
6位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'07"365 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚37'19"272 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚37'36"400 |
3位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚37'56"817 |
4位 |
ケケ・ロズベルグ | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚38'07"975 |
5位 |
ルネ・アルヌー | リジェ・ルノー | 1Lap |
6位 |
ジャック・ラフィット | リジェ・ルノー | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 3周、アクシデント |
FL |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'09"993 |