1986年 フランスGP


1986年7月4-6日
フランス ポール・リカール サーキット

予選:PP(12回目) 決勝:リタイア


前戦アメリカGPで優勝し、ポイントリーダーとしてヨーロッパラウンドへ乗り込んできた。 強力なホンダエンジン擁するウイリアムズやマクラーレンの戦闘力を考えると、 セナはロータスのポテンシャルを100%以上引き出し、実力以上の成果を上げている感がある。

ポール・リカールではこの年の5月に、 セナの前年のチームメイトであるデ・アンジェリスがテスト中に事故死した。 その影響でコースは改修・短縮された。

ルノーはここ地元フランスで新バージョンのエンジンを投入した。 セナはそのエンジンで金曜、土曜ともに最速。 土曜予選ではブーツェン(アロウズ)とデ・チェザリス(ミナルディ)が撒き散らしたオイルのせいで、 セナを含め多くのドライバーがタイムを上げることはできなかったが、 それでも2戦連続でPP獲得。

決勝レースでは、スタート直後の1コーナーで予選2位のマンセル(ウイリアムズ)に先行され2位を走行。 しかし4周目、デ・チェザリス(ミナルディ)がエンジンブローしオイルを撒き散らした。 セナはこのオイルに乗ってコントロールを失いコースアウト、タイヤバリアに激突した。

「オイルに気がついたときは遅かった。失敗してしまったね。弁解はしない。」  (「生涯 アイルトン・セナ」より)

セナ自身の完全なミスによるリタイアは極めて少ない。 単独でコースアウトしても、そこには何かしらの理由があることがほとんどだ。 今回はセナが自らのミスを素直に認めたが、 オイルによるコースアウトとうことで、完全なミスとは言えないのかもしれない。

ともあれこれでチャンピオンシップ争いは3位に後退してしまった。 ルノーエンジンのパワー不足が指摘される中、 しかしセナは自らの腕と速さでウイリアムズやマクラーレン勢に対抗していくのだった。



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 アイルトン・セナ  ロータス・ルノー  1'06"526
2位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ホンダ  1'06"755
3位
 ネルソン・ピケ  ウイリアムズ・ホンダ  1'06"797
4位
 ルネ・アルヌー  リジェ・ルノー  1'07"075
5位
 アラン・プロスト  マクラーレン・TAGポルシェ  1'07"266
6位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1'07"365


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ホンダ  1゚37'19"272
2位
 アラン・プロスト  マクラーレン・TAGポルシェ  1゚37'36"400
3位
 ネルソン・ピケ  ウイリアムズ・ホンダ  1゚37'56"817
4位
 ケケ・ロズベルグ  マクラーレン・TAGポルシェ  1゚38'07"975
5位
 ルネ・アルヌー  リジェ・ルノー  1Lap
6位
 ジャック・ラフィット  リジェ・ルノー  1Lap
リタイア
 アイルトン・セナ  ロータス・ルノー  3周、アクシデント
 
     
FL
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ホンダ  1'09"993




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