1988年 フランスGP


1988年7月1-3日
フランス ポール・リカール サーキット

予選:2位 決勝:2位


モナコでの単独クラッシュ以降、多くのことを学んだセナは精神的にも強くなり、 より安定したレース運びができるようになった。 カナダ、アメリカと連勝をし、本格的なヨーロッパラウンドに突入していく。 しかしここフランスでは地元のプロストが黙っていない。

開幕から6戦連続でPPを獲得し、このフランスGPで7戦連続の新記録がかかっていたが、 金曜日からトラブルに見舞われる。金曜午前にエンジン冷却の問題が出てスペアカーに乗り換えるが、 スペアカーの優先権があるプロストに手渡すことになってしまった。

このことが影響したのか、結局、予選では金曜、土曜ともにプロストがトップタイム。 セナも一時は逆転するが、プロストの気合が上回った。 これで開幕からの連続PPは途切れ、久々の2番グリッドからのスタート。

決勝レースでもPPからプロストが先行し、セナが2番手を走る。 しかし中盤、プロストはタイヤにトラブルが出てピットイン。 さらにピット作業が手間取り10秒以上もロスしたこともあり、その間にセナがトップに躍り出る。

セナは24周の間レースをリードするが、後方からはプロストが迫ってくる。 そして61周目、周回遅れでつまっていたセナをかわしプロストが再びトップに浮上。 セナは後に周回遅れを利用し自らのアドバンテージにすることが多くなったが、 このレースではプロストにしてやられた。 逆に考えると、ここから「周回遅れの活用法」を学んだのかもしれない。 レースはそのままプロスト、セナの順で終わった。

「ギアレバーの感触がふわふわし始めた。そのうち奇数のギアがかみ合わなくなった。 リードしていたときもギアチェンジに問題があって、それはどんどんひどくなるばかりだった。 アランの行動はあれで正しかった」(「アイルトン・セナ 天才ドライバーの素顔」より)

トラブルに見舞われたセナだったが、このレースではそれ以上に地元で燃える プロストの気合が上回ったような気がする。 シーズンが進むにつれてセナに押され気味だったプロストだったが、地元で意地を見せた。 しかしセナもこのレースの敗北によってさらに強くなり、 中盤戦を爆進していくのだった。



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1'07"589
2位
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1'08"067
3位
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1'08"282
4位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1'09"422
5位
 テイリー・ブーツェン  ベネトン・フォード  1'09"587
6位
 アレッサンドロ・ナニーニ  ベネトン・フォード  1'09"718


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1゚37'37"328
2位
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1゚38'09"080
3位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1゚38'43"833
4位
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1Lap
5位
 ネルソン・ピケ  ロータス・ホンダ  1Lap
6位
 アレッサンドロ・ナニーニ  ベネトン・フォード  1Lap
 
     
FL
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1'11"737




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