あれから30年…セナからのメッセージ



1994年5月1日…セナが天に旅立った。

私は約2シーズン半、セナをリアルタイムで見ていた。 当時中学生だった私は、セナの常に全力を尽くす姿勢に共感し、憧れた。 遠い遠い存在ではあるが、セナの生き方は究極の目標・理想像だった。

セナが亡くなってからも、そんな想いは変わらないどころか強くなっていった。 人生の節目や勝負時、辛くて自分自身が弱っている時など、セナの映像や本を見返し、勇気づけられて自分自身を奮い立たせていた。 そしてその時々で、セナを通じて今までわからなかったことが少しずつ見えてくることがあった。


今、私の心にとても強く響いているのは1993年ブラジルGP。 ウイリアムズやベネトンに対してマシン的に劣勢の中、さらに理不尽なペナルティストップで途中大きく後退するが、 雨や刻々と変わる状況を味方にして、最後は奇跡の優勝を果たしてしまう。

予選後のインタビューでセナは
「現状では、レースでの3位キープは難しいと思うよ。 でもウイリアムズの2人だってトラブルを起こす可能性はあるんだ。 ベストを尽くして、正確な状況判断をすることが大切だね」
と語っていたが、まさに有言実行したことになった。


歳を重ねると、自分の力だけではなかなか解決できない難しい問題に直面することが多くなる。 どうしていいのかわからず、絶望を感じることもある。 でもそんなときに1993年のブラジルGPの時のインタビューとレースを思い出すと、 人生何が起こるかわからないから諦めないでできる限りのことを全力でしていかなければと前向きな気持ちになれる。

セナが教えてくれたことが、30年以上経った今、心に沁みてきた。 今までは何気なく見ていたセナの言動も、見え方や感じ方が変化してこれからの人生において別の感覚で捉えられるのかもしれない。 セナが教えてくれたこと、セナからのメッセージを真の意味で感じることができるのかなと思う。

セナはF1を通じて、たくさんの大切なことを教えてくれたと思う。 だからこれからもセナは私の人生の目標、心の師匠…たくさんのメッセージをありがとうございました。 遠い遠い存在だけど、少しでもあなたに近づけるように…。



2024年5月1日 異国の一人のセナファンより



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