前戦カナダGPからわずか1週間が経過し、舞台はアメリカ・デトロイトへ。
しかし荒れた路面のストリートコースに手を焼く。 金曜予選、セナは7位につけるがその後火災を伴う激しいクラッシュをし後部にダメージを負い、 赤旗の原因を作ってしまう。 しかしチームは徹夜でマシンを修復。土曜予選でも7位で表面上の順位は変わらなかったが、 金曜に比べて4.5秒もタイムアップし、さらに事故があったことを考えると上出来だろう。 セナは自己最高の7位からのスタート。 トールマンは決勝用に特別マシンを温存し、これでレースに臨もうとしていた。 しかし決勝レースではスタートで多重事故が発生。 ピケ(ブラバム)のタイヤが激しく吹き飛び、なんとセナのマシンに落下、 サスペンションを破壊した。 レースは赤旗が出され再スタート。 セナはスペアカーに乗り換えての出走。 2回目のスタートでもだんご状態の混戦になり、 セナは事故を起こさないように一時的にコースから外れたという。 セナは多少順位を落としてしばし10位を走行。 20周目には8位にまで回復するなど、マシンの調子自体は順調だったようだ。 しかしその直後の22周目、最終コーナーで後輪がスリップしてコースから外れ、 タイヤウォールにクラッシュしてしまった。 若さゆえのクラッシュと言えるかもしれない。 しかしセナはそんな失敗を将来に確実に生かしていく。 デトロイトでは86年から3連勝、フェニックスでは3戦2勝、 そしてモナコでは5年連続を含む6勝と、 ドライバーのテクニックと集中力の差が顕著に表れる市街地コースで無類の強さを発揮していくのだった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1'40"980 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'41"640 |
3位 |
ナイジェル・マンセル | ロータス・ルノー | 1'42"172 |
4位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'42"246 |
5位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1'42"434 |
6位 |
デレック・ワーウィック | ルノー | 1'42"637 |
7位 |
アイルトン・セナ | トールマン・ハート | 1'42"651 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1゚55'41"842 |
2位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1゚56'14"480 |
2位 |
テオ・ファビ | ブラバム・BMW | 1゚57'08"370 |
4位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚57'37"100 |
5位 |
ジャック・ラフィット | ウイリアムズ・ホンダ | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | トールマン・ハート | 21周、アクシデント |
FL |
デレック・ワーウィック | ルノー | 1'46"221 |