F1にデビューして半年にも満たないセナが、
サーキットでの才能溢れる走りとともにパドックでの話題をも独占する。 予選では金曜日にはミスファイアが発生し13位、 土曜日にも午前中にエンジンブローが発生しその影響もあり13位。 最終予選順位もここ数戦ではワーストの13位。 決勝レース当日、パドックに衝撃が走る。 名門ロータスチームが翌年のセナ獲得を発表した。 レースでは着実に順位を上げ上位集団に喰らいついていたが、次第に離され、 9位走行中の20周目にターボが壊れリタイアしている。 ここオランダではレース結果よりもセナの翌年の動向が注目された。 実はセナは、この時はまだロータスとの正式な契約を結んでいなく、 ロータス側からの発表を承諾していなかった。 セナとトールマンチームとの間には翌年の契約も結ばれていたので、 セナはトールマンと話し合ってからの発表を望んでいたようだ。 しかしそんな事情も知らないトールマン側からしてみれば、 突然セナに裏切られたような気持ちだったのかもしれない。 トールマンはセナの契約破棄の罰則として次戦イタリアGPへの出走を禁止した。 逆に言うと、チーム内の主導権はいつの間にかセナが握っていて、 出走禁止にでもしなければ誰もセナを止められなかったのかもしれない。 セナはワールドチャンピオンという夢に向かってまた一つ階段を昇り、 F1界も次第にセナを中心に回っていくことになる。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'13"567 |
2位 |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1'13"872 |
3位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1'13"883 |
4位 |
デレック・ワーウィック | ルノー | 1'14"405 |
5位 |
パトリック・タンベイ | ルノー | 1'14"566 |
6位 |
ニキ・ラウダ | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'14"866 |
13位 |
アイルトン・セナ | トールマン・ハート | 1'15"960 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚37'21"468 |
2位 |
ニキ・ラウダ | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚37'31"751 |
3位 |
ナイジェル・マンセル | ロータス・ルノー | 1゚38'41"012 |
4位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1Lap |
5位 |
テオ・ファビ | ブラバム・BMW | 1Lap |
6位 |
パトリック・タンベイ | ルノー | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | トールマン・ハート | 19周、エンジン |
FL |
ルネ・アルヌー | フェラーリ | 1'19"465 |