1985年4月19-21日
ポルトガル アウトドローモ・ド・エストリル
前年のここポルトガルで3位表彰台を獲得し、エストリルは相性のいいサーキットなのか、
金曜午前のフリー走行以外は各セッションでトップタイムをマーク。
2年目、通算16戦目にして初めてのPPを獲得した。 決勝レースは前年のモナコ以上の大雨。セナは無難にスタートを切り、 そのまま異次元のスピードで2位以下を突き放す。チームメイトのデ・アンジェリスに比べて 約1秒速いペースで逃げる。 いや、彼等がセナのペースについていけなかっただけなのかもしれない。 各車、スピン・コースアウトを繰り返す中、セナだけは絶妙なマシンコントロールと、 研ぎ澄まされた集中力で全くミスすることなく周回を重ねていく。 ハンドリングのいいロータス97Tとセナの芸術的なドライビングが相まって、 異次元の走りを見せつけた。 レースは当初、69周予定であったが、2時間ルール適応により67周で終了。 結局、2位アルボレートに1分以上の差、 3位以下をすべて周回遅れにして初勝利を飾った。 なお、ゴール直後にマンセル(ウイリアムズ)が無理にセナの背後に迫ってきたが、 セナは事なきを得ず、マンセルは泥を巻き上げながら 激しくコースアウトするといったシーンも見られた。 セナはPPから独走したので、このレースにおいてライバル達とのバトルは全く見られなかった。 もしかしたらセナの敵は、セナ自身だったのかもしれない。 セナはこの頃から、自分自身の限界と戦っていたのかもしれない。 雨のレースはドライバーの腕が試される。セナはここで完全なる勝利をものにした。 2年目、通算16戦目にして初PP、初FL、全周回首位での初優勝。通算65PP、41勝の礎である。 ここからセナの時代が本格的に始まっていく。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'21"007 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'21"420 |
3位 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'21"904 |
4位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1'22"159 |
5位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'22"577 |
6位 |
デレック・ワーウィック | ルノー | 1'23"084 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 2゚00'28"006 |
2位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 2゚01'30"984 |
3位 |
パトリック・タンべイ | ルノー | 1Lap |
4位 |
エリオ・デ・アンジェリス | ロータス・ルノー | 1Lap |
5位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 2Laps |
6位 |
ステファン・ベロフ | ティレル・フォード | 2Laps |
FL |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'44"121 |