1985年7月19-21日
イギリス シルバーストン サーキット
このイギリスGPで1985年シーズン前半戦も終わる。
セナは第2戦ポルトガルGPで優勝し、4つのPPを記録するなど光る走りを見せたが、
決勝レースではトップを快走しながらトラブルなどに見舞われることもあり、
惜しいレースを落としてきた。
後半戦に向けて、結果を残していきたいところだ。 しかし予選からトラブルに悩まされることになる。 金曜は予選用マシンのエンジンにトラブルが生じ3位。 土曜には燃費の問題なども発生しタイムアップならず、開幕戦以来の4位、セカンドローに沈んだ。 ただロータスの戦闘力を考えると、 第2戦以降ずっと安定的にフロントローに並んでいたこと自体がすごいことなのかもしれない。 決勝レースではセナは素晴らしいスタートを切り、PPのロズベルグ(ウイリアムズ)との攻防を制し、 一気にトップに躍り出る。 序盤はセナとロズベルグのマッチレースが続く。 しかしロズベルグは少しずつ後退。セナが単独首位で周回を重ねていく。 セナがトップを走る間、後方では後退したロズベルグをプロスト(マクラーレン)が捕らえ2位へ。 さらにセナとの差を縮めていく。 しかしセナも易々とプロストの軍門に降らない。 周回遅れを利用して、再びプロストとの差を広げていった。 終盤に入り、ライバルも退け、このままセナがレースを制する勢いだった。 しかし残り8周となった58周目にエンジンがミスファイヤを起しスローダウン。 その間にプロストにトップを奪われた。 セナのマシンは何とか息を吹き返し、再度プロストを逆転しペースを取り戻したかにも思えたが、 今度は残り5周になったところでガス欠に見舞われ、マシンを止めた。 これも、ミスファイヤからくる不具合だったのかもしれない。 セナは周回数の関係で10位完走扱いとなった。 なおレースは、誤って1周早くチェッカーフラッグが振られ、終了している。 このレースでも入賞し、結果を残すことはできなかった。 しかしロズベルグやプロストといったツワモノ相手に一歩も引かず、 逆に見事なライン取りや周回遅れを利用してのスパートなど、 若さとともにしたたかな老練さも見せた。 セナは多くの経験豊富な強豪ドライバー達の中でもまれ、互角以上に渡り合うことで、 その評価はレースを重ねることに一層高くなり、そしてセナ自身も成長していったのだと感じる。 そんなセナに自ずと運も向いてきて、後半戦は上位入賞の常連になっていくのだった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'05"591 |
2位 |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1'06"249 |
3位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'06"308 |
4位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'06"324 |
5位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'06"675 |
6位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'06"793 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚18'10"436 |
2位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1Lap |
3位 |
ジャック・ラフィット | リジェ・ルノー | 1Lap |
4位 |
ネルソン・ピケ | ブラバム・BMW | 1Lap |
5位 |
デレック・ワーウィック | ルノー | 1Lap |
6位 |
マルク・スレール | ブラバム・BMW | 2Laps |
10位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 60周、燃料切れ、完走扱い |
FL |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'09"886 |