1985年11月1-3日
オーストラリア アデレード市街地コース
この年の最終戦は、初開催となるアデレード市街地コース。
昔からのファンの間では今でも、「オーストラリア=アデレード」と連想される方も少なくないかもしれない。
コース幅も広く、完成度の高い市街地コースとして評価も高かったようだ。 セナは予選から最速ウイリアムズ・ホンダに挑んでいく。 金曜日はロズベルグ(ウイリアムズ)に続く2位。 ミスを犯したとする一方で、ブロックされたとしてマンセル(ウイリアムズ)を批判した。 土曜日には最初、フロントに予選用タイヤを、リアに決勝用タイヤを装着。 その後フロント、リアともに予選用タイヤに履き替えるなど、 コースコンディションの変化に柔軟に対応してアタックをしていた。 セナはウイリアムズ勢を抑えてトップタイム、この年7回目のPPを決めた。 さらに各種文献によると、セナはコーナーで縁石を使ってマシンの横滑りを抑え、 スピードを落とさずにコントロールしていたといった記述が見られる。 今では当たり前になったテクニックでも、 実はセナによって開拓された未知のドライビングテクニックも多いのかもしれない。 ロズベルグは後に、セナはF1におけるすべてのスタンダードを押し上げたと語っている。 決勝レースでは、スタートでマンセルが飛び出すがセナがすぐにかわしトップ奪還。 結果的にマンセルをコースアウトさせてしまった。 1周目の攻防はこれで終わらず、ロズベルグがホンダパワーを生かして1位に浮上。 セナはしばし2位を走行。 セナはロズベルグを追撃する一方で、3位アルボレート(フェラーリ)を押さえ込んでいた。 アルボレートは一瞬セナを抜くが、数コーナー先で再びセナが2位を取り戻す。 上位は息詰まる接近戦が繰り広げられていた。 43周目、ロズベルグはタイヤ交換のためピットイン。 セナはロズベルグの背後についていたが、ロズベルグのピットイン(減速)があまりにも急だったため、 よけきれず接触。右フロントウイングを失ってしまった。 それでもセナはすぐにはピットインせず、コース上を走り続けた。 バランスの悪化していくマシンを必死にコントロールしてトップを疾走していく。 しかしアンダーステアがひどくなり、ヘアピンでコースアウト。 クラッシュは免れたがこれが限界と判断しピットへ向かい、ノーズとタイヤを交換する。 コースに戻ると前を走っていたラウダ(マクラーレン)をパスし2位まで順位を回復。 一方の1位ロズベルグはもう1回ピットインしなければならなかった。 54周目、セナは労せずしてトップへ。 しかしセナのタイヤも厳しく、セナの背後にラウダが迫り、 さらに後方からはロズベルグが2人を猛追していた。 ラウダは56周目にセナをとらえるが、その2周後にブレーキのトラブルでクラッシュ。 セナが再びトップに躍り出る。 しかしその直後セナ自身もエンジンがブロー、青い煙とオイル漏れを起こして62周でレースを終えた。 セナの2年目は、随所で光る走りを見せながらも、不運なマシントラブルに見舞われることが多かった。 しかしそれでもチーム内で優遇されていたデ・アンジェリスを上回る、 2勝 38ポイント 7PPを記録した。 そしてセナは早くもロータスチームの主導権を握り、チャンピオンへの足固めをしていく。 なお、このレースを最後に3度のチャンピオン、ニキ・ラウダが現役引退。 時代は少しずつ、かつ確実に動いていった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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PP |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'19"843 |
2位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'20"537 |
3位 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'21"887 |
4位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'21"889 |
5位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'22"337 |
6位 |
マルク・スレール | ブラバム・BMW | 1'22"561 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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優勝 |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 2゚00'40"473 |
2位 |
ジャック・ラフィット | リジェ・ルノー | 2゚01'26"603 |
3位 |
フィリップ・ストレイフ | リジェ・ルノー | 2゚02'09"009 |
4位 |
イワン・カペリ | ティレル・ルノー | 1Lap |
5位 |
ステファン・ヨハンソン | フェラーリ | 1Lap |
6位 |
ゲルハルト・ベルガー | アロウズ・BMW | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 62周、エンジン |
FL |
ケケ・ロズベルグ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'23"758 |