ロータスでの2年目のシーズンを迎えた。
セナはワーウィックのチーム入りを拒むなど、早くもチーム内の主導権を握っていた。
この年のチームメイトはダンフリーズ。セナは強力なライバルがチームメイトになることを拒んだのではなく、
ただでさえ十分とはいえないロータスのチーム力が分散されず、
少しでも自分にチーム力を集中させたかったようだ。 金曜予選は同じブラジル人の先輩ピケ(ウイリアムズ)がトップタイムで、セナは2位。 土曜予選も1回目のアタックは平凡なタイムに終わったセナだったが、 ウイングのセッティングを変更し残り5分でコースインし、 1回目のタイムを2秒近く刻んでピケにも0.7秒の差をつけてのPP。 決勝レースがスタートすると、3番手スタートのマンセルが猛チャージをかけセナに並びかけるが、 サイド・バイ・サイドのバトルの末マンセルはコースアウト。 マンセルの立場からは、「セナに押し出された」といった感じだったのだろう。 マンセルはステアリングを投げ捨て怒り、セナへの敵対心をより一層強めていく。 3周目にはピケがセナに襲いかかる。パワフルなホンダターボエンジンを搭載したウイリアムズは強力で、 さすがのセナもピケに先行を許した。20周目前後には各車タイヤ交換のため順位が多少変動し、 プロスト(マクラーレン)が数周トップを走る場面もあったが、 30周目以降は再びピケとセナのブラジル人がトップ2を走る。 40周目前後に訪れるタイヤ交換では、ピットインのタイミングでセナが一旦トップに躍り出るが、 順位が落ち着くと再びピケに次いで2位。 そのままレースは進み、結局セナは1位ピケから35秒遅れの2位でゴールした。 表彰台では犬猿の仲と目されているピケとセナが、 一緒に巨大ブラジル国旗を掲げるといったシーンも見られた。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'25"501 |
2位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'26"266 |
3位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'26"749 |
4位 |
ルネ・アルヌー | リジェ・ルノー | 1'27"133 |
5位 |
ジャック・ラフィット | リジェ・ルノー | 1'27"190 |
6位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'27"485 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚39'32"583 |
2位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1゚40'07"410 |
3位 |
ジャック・ラフィト | リジェ・ルノー | 1゚40'32"342 |
4位 |
ルネ・アルヌー | リジェ・ルノー | 1゚41'01"012 |
5位 |
マーティン・ブランドル | ティレル・ルノー | 1Lap |
6位 |
ゲルハルト・ベルガー | ベネトン・BMW | 2Laps |
FL |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'33"546 |