1986年　スペインＧＰ

無難なスタートを切り、うまくレースペースをコントロールしてピケ、プロスト、ロズベルグ、マンセルらを封じ込めていく。 39周目まで１位をキープするが、40周目、２位に上がってきたマンセルが強力なホンダエンジンを生かし、 周回遅れに戸惑っている間にセナをパス。

セナも黙ってはいない。じりじり追い上げ、逆に今度は59周目にマンセルをオーバーテイク。 その後マンセルは残り９週というところでタイヤ交換をし、コースに戻るとセナと20秒差。勝負あったかに見えた。

しかしここからマンセルは、フレッシュタイヤとホンダパワーを生かして １周につき２～４秒も速いタイムでセナを追撃する。セナはほとんどグリップのないタイヤで 何度もコースアウトしそうになりながらも何とかマシンをコントロールする。

ファイナルラップ、２人に差は1.5秒。マンセルはセナを捕らえんとするがセナも巧みなライン取りで防ぐ。 そして最終ヘアピンの立ち上がりでマンセルはセナに並びかけそのままゴール。 マンセルは自分が勝ったと思ったが（マンセルらしい）、コントロールライン上ではセナが僅か0.014秒早く通過していた。