セナにとって3度目のモナコ。
1年目は中堅チームのトールマンで雨の中光る走りを見せ、優勝にあと一歩の2位。
「セナ」の名を世界に知らしめた。
2年目はPPを奪いながらトラブルでリタイア。
そして3年目にモナコ初優勝の期待がかかったが、如何ともし難いトップチームとの差に苦しめられることになる。 木曜予選はシケインでのギヤミスや、アタック中にヨハンソン(フェラーリ)に引っかかることもあったが暫定PP。 土曜午前のフリー走行で好タイムをマークし、最終予選でもPP確実かと思われたが、 コース渋滞でタイムを伸ばせず、3位に転落。 後のセナの予選アタックでの絶妙なタイミングを考えると 「らしくない」かもしれないが、逆に言うと、このような経験が後に生かされていったのかもしれない。 レースは1コーナーで2番グリッドのマンセル(ウイリアムズ)をかわし2位に上がり、 1位プロスト(マクラーレン)を追走する。 35周目にプロストがタイヤ交換のためピットインし、その間にセナがトップに立つが、 42周目のシケインでプロストにかわされ再び2位へ。さらにセナ自身もピットインする間に ロズベルグ(マクラーレン)にも先行を許す。 レースはそのまま、プロスト、ロズベルグのマクラーレン勢には歯が立たず、3位で終わった。 セナは「あのマシン(マクラーレン)には太刀打ちできないよ。」と、 マクラーレンとロータスの総合力の差が改めて示された。 ただ逆に言うと、セナはトップチームに次ぐリザルドを当たり前のように確実にものにできるようになっていた。 なお、このモナコGP開催中にセナはホンダの桜井淑敏総監督と会談。 セナはホンダエンジンに乗りたいと直訴し、桜井総監督もセナの情熱を感じる。 そしてセナの願いは叶い、翌87年からロータスにホンダエンジンが搭載されることになり、 セナとホンダはビジネスを越えた信頼と友情で結ばれることになる。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'22"627 |
2位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'23"047 |
3位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1'23"175 |
4位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'23"904 |
5位 |
ゲルハルト・ベルガー | ベネトン・BMW | 1'23"960 |
6位 |
リカルド・パトレーゼ | ブラバム・BMW | 1'25"533 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚55'41"060 |
2位 |
ケケ・ロズベルグ | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚56'06"082 |
3位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ルノー | 1゚56'34"706 |
4位 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚56'52"462 |
5位 |
ルネ・アルヌー | リジェ・ルノー | 1Lap |
6位 |
ジャック・ラフィット | リジェ・ルノー | 1Lap |
FL |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'26"607 |