前戦のベルギーGPでのマンセルとセナの接触で、マンセルはセナに殴りかかろうとしたという事件が起きたが、
モナコの木曜日、セナとマンセルは話し合いこれ以上騒ぎを大きくしないことにした。
予選ではその2人がトップ争い。
木曜、土曜共にマンセル、セナの順で、渦中の2人がフロントロウに並んだ。 決勝がスタートすると大きな混乱はなく、PPのマンセルがセナを引き離しにかかる。 セナはマンセルのペースに若干劣るものの、 万が一に備えてマンセルとの差をできるだけ維持するように努めた。 オーバーテイクが難しいモナコで、セナは78周のレース全体を捉えながら走っていたという。 28周目で二人の差は11秒。 セナは自らのマシン性能を極限まで引き出し、果敢に攻め、マンセルに見えないプレッシャーを与え続けていた。 そして29周目には6秒差に縮まる。 セナのプレッシャーがマンセルのマシンに負担を与えていたのか、エンジンの排気管が壊れたのだ。 30周目、スローダウンしたマンセルをセナがかわし、トップに躍り出た。 マンセルはそのままリタイア。 この時点でセナは2位ピケを16秒リードしていた。 42周目にタイヤ交換のためピットインしたが、首位は譲らず。 終盤、2速と3速がうまく入らないというトラブルに見舞われたが、 最終的にピケを33秒リードしてFLも記録し優勝。 「モナコマイスター」への記念すべきモナコ初優勝を飾り、 ロータスにとっても、アクティブサスペンション搭載車での初の優勝になった。 決して最強マシンではなかったが、冷静に状況を把握し、レース全体をとらえながら走ることにも長けていた。 セナはその後もアクティブサス搭載の重いマシンながらも、ウイリアムズやマクラーレンなどのトップチームに対して、 自らのドライビングテクニックと作戦で果敢に対抗していくのだった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'23"039 |
2位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1'23"711 |
3位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'24"755 |
4位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'25"083 |
5位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'26"102 |
6位 |
エディー・チーバー | アロウズ・メガトロン | 1'26"175 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1゚57'54"085 |
2位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚58'27"297 |
3位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1゚59'06"924 |
4位 |
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1Lap |
5位 |
ジョナサン・パーマー | ティレル・フォード | 2Laps |
6位 |
イワン・カペリ | マーチ・フォード | 2Laps |
FL |
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1'27"685 |