モナコ、デトロイトと連勝を飾り、
セナはポイントリーダーとして再びヨーロッパに帰ってきた。
ロータスのシャシーがホンダパワーを生かせる程に、パフォーマンスが向上してきたのか? しかしこの連勝は、実際には市街地コースという特異な状況と、 セナ自らの腕によるところが大きかったようだ。 中盤戦はマシンの素性の差が顕著に出やすい中高速サーキットが続き、 重く完成度の高くないアクティブ・サスを擁するロータスでセナは苦戦を強いられる。 予選では、最高速でウイリアムズ勢を凌ぐスピードを見せるものの、 マシンバランスに苦しみタイム的には同じホンダエンジンを用いるウイリアムズ勢はもちろん、 エンジンパワーが劣ると思われるマクラーレン・TAGポルシェのプロストにも先行される。 金曜日はギアボックスの不調や、ダウンフォース不足でスピンを喫するなどして4位。 土曜日にはマシンバランスが幾分改善されたが、 今度はアタック中にエンジンが止まってしまう。 土曜だけでは2位のタイムだったが、2日間の予選全体では3位。 決勝レースでは、すぐにピケ(ウイリアムズ)にかわされ4位に後退する。 途中タイヤ交換のピットインの間に一時的に3位や5位を走ることもあったが、 レースの大部分をマンセル、ピケのウイリアムズ勢と、マクラーレンのプロストに次いで4位を走行する。 セナのロータスにはまだマシンバランスの問題があり、上位3台とは明らかに大きな差があった。 さらにレース終盤には周回遅れにもされたが、 このレースは無理をせずそのまま4位でフィニッシュした。 このレースの結果でセナのチャンピオンシップポイントのリードはわずか1点になってしまったが、 逆にこの状況でシーズン中盤までポイントリーダーを守っていること自体が凄いことなのかもしれない。 ロータスはアクティブサスやシャシーの空力などの問題を抱え、中盤以降苦戦を強いられることになるが、 それでもセナと中嶋は果敢に攻め、次戦イギリスなどマシンに合ったコースではしばし好走を見せるのであった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1'06"454 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'06"877 |
3位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1'07"024 |
4位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'07"140 |
5位 |
テイリー・ブーツェン | ベネトン・フォード | 1'08"077 |
6位 |
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1'08"390 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚37'03"839 |
2位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1゚37'11"550 |
3位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1゚37'59"094 |
4位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1Lap |
5位 |
テオ・ファビ | ベネトン・フォード | 3Laps |
6位 |
フィリップ・ストレイフ | ティレル・フォード | 4Laps |
FL |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'09"548 |