1987年 イギリスGP


1987年7月10-12日
イギリス シルバーストン サーキット

予選:3位 決勝:3位


前戦フランスGPから休みなく2週連続で舞台はイギリス・シルバーストンへ。

当時のシルバーストンはストレートをつなぎ合わせたような超高速コース。 エンジンパワーがものを言いそうだが、 同じホンダエンジンを搭載しているウイリアムズとロータスではタイムに大きな差が出て、 シャシー性能差が改めて浮き彫りになる。

金曜予選はマシンバランスに苦しみ4位。 ちなみにセナがタイムアタックに出ようとしたとき、 マンセル(ウイリアムズ)がコース上に落ちていた金属片をはね飛ばし、 それがセナの左フロントウイングにあたった。 幸い大事には至らなかったが、当たり所が悪ければ大ケガにつながっていたかもしれない。

土曜日にはマシンバランスが向上し3位に浮上。 上位2人はウイリアムズ勢が1秒以上速かったことを考えると、 現状ではベストの結果だと思える。

決勝レースでは、予選4位のプロスト(マクラーレン)が素晴らしいスタート。 マンセル、ピケをもかわして一気にトップに立つ。 セナはプロストには抜かれたものの無難なスタートで4位を走行。

スタートに成功したプロストだったが、すぐにピケとマンセルがエンジンパワーを利してかわしていった。 さらにプロストの後方からはセナが迫る。 セナは2周目にプロストをパス。しかしプロストも負けじとその3周後にセナを抜き返す。 この2人にアルボレート(フェラーリ)も加わった3位争いは熾烈を極めた。

しかしセナは燃費のことも計算し、しばし4位で様子を見ることにした。 そして29周目にプロストがタイヤ交換のためピットインすると、 セナは労せずして3位へ。プロストは結局、電気系統のトラブルでリタイアしている。

中盤以降はセナが単独で3位を走行。 セナはそのまま3位でゴールしているが、終盤にマンセルとピケのウイリアムズ勢に周回遅れにされた。 このことを考えると、いかにウイリアムズとロータスにシャシー性能差があるということと、 それにもかかわらず今だにポイントリーダーであるセナが奮闘していることがわかる。

また、中嶋(ロータス)が粘り強い走りで2周遅れながら自己新の4位入賞を果たした。 中嶋はデビュー以来、着実に完走・入賞をものにしてきた。 34歳でのF1デビュー…もしあと5年でも早くF1にデビューしていれば、 トップ争いも決して夢ではなかったと思う。 しかしそれ以上に中嶋の功績には計り知れないものがある。

これで上位4台はホンダエンジン搭載車が独占した。 80年代中盤以降、エンジンパワーでは明らかにホンダが群を抜いていた。 あのホンダ専制時代をもう一度!



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 ネルソン・ピケ  ウイリアムズ・ホンダ  1'07"110
2位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ホンダ  1'07"180
3位
 アイルトン・セナ  ロータス・ホンダ  1'08"181
4位
 アラン・プロスト  マクラーレン・TAGポルシェ  1'08"577
5位
 テイリー・ブーツェン  ベネトン・フォード  1'08"972
6位
 テオ・ファビ  ベネトン・フォード  1'09"246


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ホンダ  1゚19'11"780
2位
 ネルソン・ピケ  ウイリアムズ・ホンダ  1゚19'13"698
3位
 アイルトン・セナ  ロータス・ホンダ  1Lap
4位
 中嶋 悟  ロータス・ホンダ  2Laps
5位
 デレック・ワーウィック  アロウズ・メガトロン  2Laps
6位
 テオ・ファビ  ベネトン・フォード  2Laps
 
     
FL
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ホンダ  1'09"832




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