1987年 オーストラリアGP


1987年11月13-15日
オーストラリア アデレード市街地コース

予選:4位 決勝:失格


PPや優勝なども記録し、未来のチャンピオン候補として「アイルトン・セナ」の名を世界中に知らしめた 3年間のロータスチームでのレースもこれが最後。 しかし後味の悪い結末になってしまう。

予選では金曜4位、土曜日には若干タイムアップするも順位は変わらず4番グリッドからのスタート。 PPは終盤になって調子を上げてきたベルガー(フェラーリ)。 ちなみに前戦日本GPで負傷したマンセルに代わりパトレーゼがウイリアムズに乗り、予選7位。 パトレーゼはドライバー全員の記念撮影のときに「NIGEL OK」のサインボードを持っていた。

決勝レースでは、PPからベルガーが他を寄せ付けない完璧な走り。 セナはピケ(ウイリアムズ)、プロスト(マクラーレン)、アルボレート(フェラーリ)と熾烈な2位争い。 そしてレース中盤でセナは単独2位になる。 セナはタイヤ無交換作戦を敢行し、上位入賞を狙っていた。

さらにセナは前を行くベルガーとの差を縮め追撃しようとしていたが、 タイヤ無交換はやはり多少の無理があったのか、タイヤのグリップが低下し始めた。 結局セナは2位のままでチェッカーを受けた。

しかし、セオリー通りにタイヤを交換していたら2位はありえなかったかもしれない。 速いだけではなく、レース全体を計算しマシンを労わりながらの走りだった。 優勝したベルガーはPPから全周回1位でFLも記録する完全勝利。

表彰台でシャンパンファイトをするセナだったが、事件はその後発生する。 ベネトンチームが、ロータスのブレーキ冷却ダクトに違反があるのではないかと抗議してきたのだ。 結局、再車検でロータスのブレーキダクトはオーバーサイズであると判断され、 セナは失格となってしまった。

ロータスでの最後のレースは残念な結果に終わってしまったが、 この3年間でセナは名門ロータスから多くのことを学んでいったと思う。 そしてここでの経験が、翌年以降の栄光の日々へとつながっていくのだった。



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 ゲルガルト・ベルガー  フェラーリ  1'17"267
2位
 アラン・プロスト  マクラーレン・TAGポルシェ  1'17"967
3位
 ネルソン・ピケ  ウイリアムズ・ホンダ  1'18"017
4位
 アイルトン・セナ  ロータス・ホンダ  1'18"488
5位
 テイリー・ブーツェン  ベネトン・フォード  1'18"523
6位
 ゲルガルト・ベルガー  フェラーリ  1'18"578


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1゚52'56"144
2位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1゚54'04"028
3位
 テイリー・ブーツェン  ベネトン・フォード  1Lap
4位
 ジョナサン・パーマー  ティレル・フォード  2Laps
5位
 ヤニック・ダルマス  ローラ・フォード  3Laps
6位
 ロベルト・モレノ  AGS・フォード  3Laps
失格
 アイルトン・セナ  ロータス・ホンダ  ブレーキ冷却ダクト違反
 
     
FL
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1'20"416




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