PPや優勝なども記録し、未来のチャンピオン候補として「アイルトン・セナ」の名を世界中に知らしめた
3年間のロータスチームでのレースもこれが最後。
しかし後味の悪い結末になってしまう。 予選では金曜4位、土曜日には若干タイムアップするも順位は変わらず4番グリッドからのスタート。 PPは終盤になって調子を上げてきたベルガー(フェラーリ)。 ちなみに前戦日本GPで負傷したマンセルに代わりパトレーゼがウイリアムズに乗り、予選7位。 パトレーゼはドライバー全員の記念撮影のときに「NIGEL OK」のサインボードを持っていた。 決勝レースでは、PPからベルガーが他を寄せ付けない完璧な走り。 セナはピケ(ウイリアムズ)、プロスト(マクラーレン)、アルボレート(フェラーリ)と熾烈な2位争い。 そしてレース中盤でセナは単独2位になる。 セナはタイヤ無交換作戦を敢行し、上位入賞を狙っていた。 さらにセナは前を行くベルガーとの差を縮め追撃しようとしていたが、 タイヤ無交換はやはり多少の無理があったのか、タイヤのグリップが低下し始めた。 結局セナは2位のままでチェッカーを受けた。 しかし、セオリー通りにタイヤを交換していたら2位はありえなかったかもしれない。 速いだけではなく、レース全体を計算しマシンを労わりながらの走りだった。 優勝したベルガーはPPから全周回1位でFLも記録する完全勝利。 表彰台でシャンパンファイトをするセナだったが、事件はその後発生する。 ベネトンチームが、ロータスのブレーキ冷却ダクトに違反があるのではないかと抗議してきたのだ。 結局、再車検でロータスのブレーキダクトはオーバーサイズであると判断され、 セナは失格となってしまった。 ロータスでの最後のレースは残念な結果に終わってしまったが、 この3年間でセナは名門ロータスから多くのことを学んでいったと思う。 そしてここでの経験が、翌年以降の栄光の日々へとつながっていくのだった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ゲルガルト・ベルガー | フェラーリ | 1'17"267 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・TAGポルシェ | 1'17"967 |
3位 |
ネルソン・ピケ | ウイリアムズ・ホンダ | 1'18"017 |
4位 |
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | 1'18"488 |
5位 |
テイリー・ブーツェン | ベネトン・フォード | 1'18"523 |
6位 |
ゲルガルト・ベルガー | フェラーリ | 1'18"578 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1゚52'56"144 |
2位 |
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1゚54'04"028 |
3位 |
テイリー・ブーツェン | ベネトン・フォード | 1Lap |
4位 |
ジョナサン・パーマー | ティレル・フォード | 2Laps |
5位 |
ヤニック・ダルマス | ローラ・フォード | 3Laps |
6位 |
ロベルト・モレノ | AGS・フォード | 3Laps |
失格 |
アイルトン・セナ | ロータス・ホンダ | ブレーキ冷却ダクト違反 |
FL |
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1'20"416 |