1988年 ブラジルGP


1988年4月1-3日
ブラジル アウトドローモ・ネルソン・ピケ

予選:PP(17回目) 決勝:失格


近代化されたチーム環境、洗練されたシャシー、強力なホンダターボエンジン…。 チャンピオンになるべくのお膳立ては整った。あとは自らの実力で、チームメイトでこの時すでに2度のチャンピオン、 当時の通算最多勝を更新中のプロフェッサー、アラン・プロストを倒すだけ…。 セナの本格的な「チャンピオンへの道」が始まっていく。

予選は金曜、土曜共にトップタイム、PP獲得。2位のフェラーリ、マンセルに0.5秒の差をつける。 シーズン前のテストでは好タイムが出ていたものの、マクラーレン陣営、ホンダスタッフ、 共に「シーズンが始まるまではわからない」と慎重な姿勢だったが、この予選を終えてある程度の手応えをつかむ。 後の快進撃を思えば、慎重すぎる対応だったかもしれないが、物事とはこういうものなのかもしれない

フォーメーションラップが終わり各車グリッドにつく。ここで最前列で大きく手を振るドライバー…セナである。 ギア・リンケージが壊れたのだ。レースは再スタート。マクラーレンチームはセナをスペアカーに乗せピットからスタートさせる。

1周目を21位で走り、その後も異次元の速さでごぼう抜きし、順位を上げていく。8周目に10位、13周目にポイント圏内の6位、 19周目に表彰台圏内の3位、20周目には首位プロストに次ぐ2位にまで上がる。 この段階でセナはタイヤ交換。しかしここでエンジンストールが発生。32秒もロスし、6位でコースに戻った。

セナの走りを持ってすれば、ピットでのロスを挽回し、この後もレース序盤のようにごぼう抜きし、 プロストをも捕らえられたかもしれないが、セナに非情な裁定が下る。31周、黒旗失格。 スタートでグリーンライトが灯ってからマシンを換えてはいけない、というレギュレーションに違反したのだ。 ちなみに31周も走らせておいて失格になったのは、その間、マクラーレンのロン・デニスがセナの失格について オフィシャルに抗議していたからだ。

これは明らかにチームのミスでセナに非はなかった。地元ブラジルで残念なレースになったが、 予選での速さや最後尾からの追撃など、これからの華々しい活躍を予感させるレースでもあった。



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1'28"096
2位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ジャッド  1'28"632
3位
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1'28"782
4位
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1'29"026
5位
 ネルソン・ピケ  ロータス・ホンダ  1'30"087
6位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1'30"114


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1゚36'06"857
2位
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1゚36'16"730
3位
 ネルソン・ピケ  ロータス・ホンダ  1゚37'15"438
4位
 ディレック・ワーウッィク  アロウズ・メガトロン  1゚37'20"205
5位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1゚37'21"413
6位
 中嶋 悟  ロータス・ホンダ  1Lap
失格
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  スペアカー使用違反
 
     
FL
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1'32"934




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