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モナコでの屈辱的な単独クラッシュから2週間、
セナは気持ちを新たにメキシコに乗り込んできた。 マクラーレンはモナコでクラッシュしたマシンを修復して持ち込んできた。 またホンダはメキシコGP仕様のエンジンを導入してきた。 これでさらにエンジンとシャシーの効率が上がったという。 予選ではセナはモナコでのショックを感じさせない、相変わらずの速さを見せる。 金曜日に暫定PPを決め、土曜日はコース渋滞でタイムアップならずも1番時計。 結局、金曜日のタイムで通算20回目のPPが決まった。 ちなみに日本人期待の中嶋 悟(ロータス)は自己最高の予選6位を獲得した。 決勝レースでは、スタートでプロスト(マクラーレン)とピケ(ロータス)に先行されて3位にダウンする。 スタート直後に2速に入れたとき、突然ポップオフバルブが開いてしまったのが原因のようだ。 セナはすぐにピケを捕らえるが、その間にトップのプロストは2位以下との差を大きくしていた。 プロストとセナは同じようなラップタイムで、その差がなかなか縮まらない。 さらにセナにはアンダーステアやリアタイヤの消耗、燃費などの問題もあったようだ。 結局、セナは最後までプロストに仕掛けることもできず、7秒差の2位でレースを終えた。 プロストは全周回1位で優勝。期待の中嶋は28周目にターボトラブルでリタイアしている。 レース結果やその過程を見る限りでは、ただ淡々と2位を走っていただけのようにも思えるが、 セナにとってはモナコのリタイア後の初レースとして、とても大きな意味を持っていたようだ。 
 自分で自分のパワーを感じながらも、そのパワーを押し出すのではなく、 自信を回復するのが先決だと思った。僕はいい成績をおさめるために走った…」 (Number VIDEO「アイルトン・セナが自ら語った魂の軌跡 挑戦と愛」より) 
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ドライバー  | 
チーム  | 
タイム・備考  | 
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PP  | 
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'17"468 | 
2位  | 
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1'18"097 | 
3位  | 
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1'18"120 | 
4位  | 
ネルソン・ピケ | ロータス・ホンダ | 1'18"946 | 
5位  | 
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1'19"626 | 
6位  | 
中嶋 悟 | ロータス・ホンダ | 1'20"275 | 
ドライバー  | 
チーム  | 
タイム・備考  | 
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優勝  | 
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1゚30'15"737 | 
2位  | 
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1゚30'22"841 | 
3位  | 
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1゚31'13"051 | 
4位  | 
ミケーレ・アルボレート | フェラーリ | 1Lap | 
5位  | 
デレック・ワーウィック | アロウズ・メガトロン | 1Lap | 
6位  | 
エディー・チーバー | アロウズ・メガトロン | 1Lap | 
FL  | 
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1'18"608 |