1988年 ドイツGP


1988年7月22-24日
ドイツ ホッケンハイムリンク

予選:PP(23回目) 決勝:優勝(11回目)


前戦イギリスGPで、開幕からの連続PP記録がストップしつつも、予選3位から雨のレースを確実に制したセナ。 ストレート・全開区間が長いここホッケンハイムでは、予選からホンダパワーを最大限に引き出し、 他のチームを寄せ付けない。

予選では、金曜日はエンジンパワーが上がらなかったとはいえトップタイムをマーク。 そして土曜日は気温・湿度ともに高く、タイムアップは望めないと判断。 セナはフルタンク(ガソリンを多め)で決勝レース用のセッティングを煮詰める。 土曜日だけでは10位だったが、金曜のタイムでPPには十分だった。

「アランにPPをとられてしまったら最悪だ。けれども、このサーキットではそれはあまり心配じゃなかった。 結局僕たちは、レース用のセッティングで走ることに意味がある、と判断したんだ」  (「生涯 アイルトン・セナ」より)

決勝レースでは前戦に続き雨のレースとなった。 雨はそれほど強くなかったが、路面が濡れていたため全車レインタイヤでグリッドに着く。 セナは好スタートをきりトップを守り、予選2位のプロストは出遅れて4位に落ちる。

前戦イギリスGPでは、雨の中果敢に攻めるセナに対して、 プロストは不甲斐ないレースをしたとして報道陣の批判の的になっていた。 スタートは失敗したが、「雨に弱い」という風評を払拭するかのように、 プロストは必死に追い上げていく。

そしてプロストは11周して2位のポジションを取り返した。 しかしその頃セナはすでに13秒も前方にいた。 その後もセナはプロストとの差をコントロールして、危なげない走りで周回を重ねていく。

結局セナは全周回1位でそのままゴールし、雨のレースを連勝。 傍目からは「楽勝」のようにも見えたが、セナにとっては有意義なレースだったようだ。

「アランが激しくプッシュしていたから、差を維持することに集中したよ。 一度もストップせずに、ウエットタイヤでレースを完走するのは簡単じゃない。 それだけに(この年)5度目のこの優勝は格別だった」 (「生涯 アイルトン・セナ」より)

これで、一時は18点もの差があったプロストとセナのポイント差はわずか3点となり、完全に射程圏内に捕らえた。 セナの勢いは止まらず、この後も激しいチャンピオン争いを展開していくのだった。



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1'44"596
2位
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1'44"873
3位
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1'46"115
4位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1'47"154
5位
 ネルソン・ピケ  ロータス・ホンダ  1'47"681
6位
 アレッサンドロ・ナニーニ  ベネトン・フォード  1'48"208


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1゚32'54"188
2位
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1゚33'07"797
3位
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1゚33'46"283
4位
 ミケーレ・アルボレート  フェラーリ  1゚34'35"100
5位
 イワン・カペリ  マーチ・ジャッド  1゚34'43"794
6位
 テイリー・ブーツェン  ベネトン・フォード  1Lap
 
     
FL
 アレッサンドロ・ナニーニ  ベネトン・フォード  2'03"032




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