1988年 スペインGP


1988年9月30日-10月2日
スペイン ヘレス サーキット

予選:PP(27回目) 決勝:4位


前戦ポルトガルGPでのセナの幅寄せ事件により、プロスト(マクラーレン)との確執が噂されたが、 セナは完全否定。 しかしチャンピオンシップはますます熾烈になっていく。 2週続けての「イベリア半島シリーズ」の舞台はスペインへ。

ヘレスは自然吸気エンジンに適していると見られていた。 セナも「ヘレスではマシンの性能を発揮させるのは難しい」と、セッティングを何度も換えるなど苦しむが、 それでもマシンをうまくまとめ上げ、さらにスーパーラップで金曜、土曜日ともに最速。 シーズン11回目のPPを決めた。 プロストも金曜5位と苦しむが、土曜日にはしっかりと2位につけた。

決勝レースではスタートで失敗し、プロスト、マンセル(ウイリアムズ)に先行を許す。 しかしセナのマシンは燃費に厳しく、ペースを押さえざるを得なかった。 セナは3位に甘んじる形で周回を重ねていく。

完走するために不本意ながらペースを落とし、前方の2人に迫れないのはもちろん、 後ろから迫ってくるライバルたちにもなす術がなかった。 39周目には4位を走行し、さらにタイヤ交換のためピットインしセナは7位まで順位を落とすことになる。

まだ燃費の表示は厳しいと出ていたが、終盤セナは一か八か攻撃に転じる。 一旦はポイント圏外まで落ちてしまったが、そこから少しずつ追い上げていく。 そして最終的に4位まで順位を上げてレースを完走した。 そしてゴールした直後にガス欠に見舞われてマシンがストップ。 まさにギリギリのレースだった。

一方プロストは安定したペースで一度も首位を譲ることなく優勝。 チャンピオンシップでも再びポイントリーダーに躍り出た。 一度はセナの勢いに押されながらも、ポルトガル、スペインと連勝し、 ここぞというときの強さ・しぶとさはさすがであった。

セナは夏場に連勝し一気にチャンピオンへ向かうかとも思われたが、 イタリアGPでの周回遅れとの接触以降、何かが噛み合わないようにも感じた。 まだ有効ポイントではセナ有利には変わらないが、 これが初めてのチャンピオンへのプレッシャーなのか?

セナはプレッシャーを跳ね返し、チャンピオンへの最後の試練を乗り越えることができるのだろうか? 決戦の地は鈴鹿へ…。



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1'26"067
2位
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1'24"134
3位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ジャッド  1'24"269
4位
 テイリー・ブーツェン  ベネトン・フォード  1'24"904
5位
 アレッサンドロ・ナニーニ  ロータス・ホンダ  1'25"032
6位
 イワン・カペリ  マーチ・ジャッド  1'25"115


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1゚48'43"851
2位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ジャッド  1゚49'10"083
3位
 アレッサンドロ・ナニーニ  ベネトン・フォード  1゚49'19"297
4位
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1゚49'30"561
5位
 リカルド・パトレーゼ  ウイリアムズ・ジャッド  1゚49'31"281
6位
 ゲルハルト・ベルガー  フェラーリ  1゚49'35"664
 
     
FL
 アラン・プロスト  マクラーレン・ホンダ  1'27"845




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