1989年6月16-18日
カナダ ジル・ビルヌーブ サーキット
メキシコ、フェニックスと続いたアメリカ大陸シリーズの3戦目はカナダ、モントリオール。
不安定な天候に加え、公園内に設けられた埃っぽくバンピーなコースということもあり、
波乱のレースになることが多い。 金曜予選、セナはレースタイヤでアタックする。 しかしギヤボックスに問題が生じ僅差ながらプロスト(マクラーレン)に次いで2番手。 土曜日は金曜よりもコースコンディションが悪化し、各車タイムアップが困難になる。 セナもセッション1番時計ながらも金曜の自己タイムより0.2秒遅れた。 PPはプロスト。セナの連続PP記録は8で止まった。 レース当日は雨。 スタート前には雨は止み路面は乾きつつあったが、各車レインタイヤでスタート。 プロスト、セナの順でレースは始まっていった。セナはプロストを攻め立てる。 しかしプロストはタイヤがパンクしたと思い2周してピットイン。 結局、サスペンションのトラブルでリタイアしている。 セナもドライタイヤに換えるために4周目にピットに入った。 ところが5周目くらいから再び雨が強くなる。 それでもセナはドライタイヤのままで5位から11周目には2位に上がり、 15周目にはトップを走っていたパトレーゼに追いついた。 しばしドライタイヤで濡れた路面を芸術的に走っていたが、 さすがのセナも21周目には再びピットインしレインタイヤに交換。 6位でコースに戻ると一気に2位まで浮上した。 そして39周目、トップを走っていたワーウィック(アロウズ)をかわし再びトップに浮上。 このまま危なげなく周回を重ね、レースも終盤に入りセナがそのまま優勝するかと思われた。 しかし残り3周となった67周目に突然エンジンがブロー。 白煙を出したマシンを降り、哀愁ある仕草でトボトボとピットに帰っていった。 レースはブーツェン(ウイリアムズ)が初優勝を飾り、パトレーゼとともにウイリアムズの1-2フィニッシュ。 3位にもチェザリス(ダラーラ)が入るなど、典型的な「波乱のカナダ」になった。 セナは周回数の関係で7位完走扱いになった。 2戦連続してマシントラブルに見舞われたセナ。 しかしこの後もしばらくセナの不運が続いていくことになる。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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PP |
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1'20"973 |
2位 |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'21"049 |
3位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1'21"783 |
4位 |
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1'21"946 |
5位 |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1'22"165 |
6位 |
テイリー・ブーツェン | ウイリアムズ・ルノー | 1'22"311 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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優勝 |
テイリー・ブーツェン | ウイリアムズ・ルノー | 2゚01'24"073 |
2位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 2゚01'54"080 |
3位 |
アンドレア・デ・チェザリス | ダラーラ・フォード | 2゚03'00"722 |
4位 |
ネルソン・ピケ | ロータス・ジャッド | 2゚03'05"557 |
5位 |
ルネ・アルヌー | リジェ・フォード | 1Lap |
6位 |
アレックス・カフィ | ダラーラ・フォード | 2Laps |
7位 |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 66周、エンジン |
FL |
ジョナサン・パーマー | ティレル・フォード | 1'31"925 |