1989年7月7-9日
フランス ポール・リカール サーキット
F1サーカスはフランスに舞台を移し、8戦も続く本格的なヨーロッパラウンドに突入していく。 金曜予選、セナはミスをしたがトップタイム。土曜予選はコース上の混雑に巻き込まれたり、セッティングに失敗したりして、 僅差ながらPPをプロストに奪われる。プロストは前年に続きフランスでは予選でも、「PPの狩人」セナの前に出た。 フラットな路面、クセのないオーソドックスなコースレイアウト、理想的な気候条件…… 快適なレース環境とプロストのセッティングが見事にマッチすると、 セナをも凌ぐ速さを見せる。プロストの理論通りにレースが進むと、彼は誰も寄せつけない速さ・強さを見せた。 決勝レースは、セナが見事なスタートを決め1コーナーを奪っていくが、 後方の中段グループでグージェルミン(マーチ)を中心に多重クラッシュが発生し、赤旗中断・レースやり直し。 2回目のスタートでは、セナはディファレンシャルのトラブルでゆるゆると発進し、 100メートル程進んだところで後続車に注意しながらマシンをコース脇に止めた。 「1速から2速へギアを変えようとしてしたとき、ドライブができなくなってしまったんだ。できることは何もなかった。」 レースはプロストが全周回1位で完勝。セナとのポイント差をさらに広げた。 中盤戦はセナだけに不運なトラブルが多発し、苦しいレースが続いていく。 またこのレースで、地元フランスのジャン・アレジがティレルからデビューし、いきなり4位に入賞した。 90年代へ向けて、また新たなヒーローが誕生した。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1'07"203 |
2位 |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'07"228 |
3位 |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1'07"455 |
4位 |
アレッサンドロ・ナニーニ | ベネトン・フォード | 1'08"137 |
5位 |
テイリー・ブーツェン | ウイリアムズ・ルノー | 1'08"211 |
6位 |
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1'08"233 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1゚38'29"411 |
2位 |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1゚39'13"428 |
3位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1゚39'36"332 |
4位 |
ジャン・アレジ | ティレル・フォード | 1゚39'42"643 |
5位 |
ステファン・ヨハンソン | オニクス・フォード | 1Lap |
6位 |
オリビエ・グルイヤール | リジェ・フォード | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 0周、ディファレンシャル |
FL |
マウリシオ・グージェルミン | マーチ・ジャッド | 1'12"090 |