1989年8月25-27日
ベルギー スパ・フランコルシャン サーキット
マクラーレンは改良した新シャシーを投入。金曜は雨のため全体的にタイムは上がらず、
セナもベルガー(フェラーリ)に僅差の暫定2位。土曜はコースコンディションが回復し、
チームメイトのプロストに0.6秒近く差をつけてのPP。 決勝はまたしても雨。ただし「スパ・ウェザー」と呼ばれるようなスパ独特の変わりやすい天気というより、 基本的に雨の中でレースは進んでいく。 1コーナーを無難にトップで進入したセナは、その後プロスト以下を引き離していく。 コースが乾いてくるとプロストもセナとの差を詰めてくるが、セナにプレッシャーをかけるまでには至らない。 セナは周回遅れの処理などにも細心の注意をし、雨で危険なスパのコースを非常に安定感のある走りで周回を重ねていく。 「今日のような状況では、プッシュしすぎないように注意しなければならない。…大切なのは、自分自身の本能を少しだけ抑えること。 ある一定の限度内で走りきるんだよ。僕の場合は、いつだってプッシュしすぎる傾向がある。もちろんプッシュしなければレースで勝てはしないけれど、自分を抑えなくちゃならないのも事実だ。」 セナの天性のスピードに加え、レースを無難に走りきるという安定感もより高いレベルになってきたように感じた。 プロストからの影響が大きいのだろうか? 終盤はペースを落とし、レースを無事に走りきることに集中する。2位争いをしているプロストとマンセルが セナに接近してくるが、余裕を持ってトップチェッカーを受けた。 雨、そして難しいスパのコース…。ドライバーの腕が試されるこのような状況・コースでは、 セナのドライビングが一段と輝き、ライバル達を圧倒していた。 この勝利でホンダはF1通算50勝目。セナはホンダのスタッフとの記念撮影に快く応じる。 セナとホンダの絆がまた強くなっていった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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PP |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'50"867 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1'51"463 |
3位 |
ゲルハルト・ベルガー | フェラーリ | 1'52"391 |
4位 |
テイリー・ブーツェン | ウイリアムズ・ルノー | 1'52"786 |
5位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1'52"875 |
6位 |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1'52"898 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
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優勝 |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1゚40'54"196 |
2位 |
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 1゚40'55"500 |
3位 |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1゚40'56"020 |
4位 |
テイリー・ブーツェン | ウイリアムズ・ルノー | 1゚41'48"614 |
5位 |
アレッサンドロ・ナニーニ | ベネトン・フォード | 1゚42'03"001 |
6位 |
デレック・ワーウィック | アロウズ・フォード | 1゚42'12"512 |
FL |
アラン・プロスト | マクラーレン・ホンダ | 2'11"571 |