前戦、鈴鹿での接触事故・王座決定の直後のレース。
セナは何事もなかったかのように金曜、土曜共に最速、チャンピオンの貫禄を見せつける。 オーストラリアGPの週末は、コース上でイベントやサポートレースなどが行われるためコースが汚れ、 土曜にタイムが伸びないことが多い。そのためもあってか、セナの土曜予選のタイムは 金曜のタイムには僅かに及ばなかったものの、この年10回目のPPを決める。 レースはスタートからブレーキバランスが不良。それでもセナはトップを快走し、 マンセルやピケに30秒のリードを奪う。その後ギアボックスが不調。2速が入らなくなり、 62周目のヘアピン後の左コーナーをニュートラルで直進。タイヤバリアに激突しそのままリタイアしてしまう。 映像だけではセナのミスのようにも思えても、このレースのようにマシントラブルが絡み、他のドライバーなら すぐにリタイアしてしまうところをその中でギリギリで走っていて、 セナの完全なるドライビングミスはほとんどなかったように感じる。 セナの1990年終盤2戦はトラブルや政治的駆け引きが見え隠れし、後味が悪いものになってしまった。 しかしこのようなつらい経験も自らの糧とし、レーシングドライバーとしてさらに完成度を増していった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'15"671 |
2位 |
ゲルハルト・ベルガー | マクラーレン・ホンダ | 1'16"244 |
3位 |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1'16"352 |
4位 |
アラン・プロスト | フェラーリ | 1'16"356 |
5位 |
ジャン・アレジ | ティレル・フォード | 1'16"837 |
6位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1'17"156 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ネルソン・ピケ | ベネトン・フォード | 1゚49'44"570 |
2位 |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1゚49'47"699 |
3位 |
アラン・プロスト | フェラーリ | 1゚50'21"829 |
4位 |
ゲルハルト・ベルガー | マクラーレン・ホンダ | 1゚50'31"432 |
5位 |
テイリー・ブーツェン | ウイリアムズ・ルノー | 1゚51'35"730 |
6位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 61周、ギアボックス、アクシデント |
FL |
ナイジェル・マンセル | フェラーリ | 1'18"203 |