1991年 モナコGP


1991年5月9・11-12日
モナコ モンテカルロ市街地コース

予選:PP(56回目) 決勝:優勝(30回目)


セナは開幕3連勝を達成し、得意のモナコに乗り込んできた。 (本当は「得意」といった次元ではなく、ただドライバーの差が如実に出ているだけなのかもしれないが…)

このところウイリアムズ勢が好調で、セナは連勝中にも関わらずマクラーレンとホンダに 「危険信号」を鳴らし続けていたが、 ドライバーの腕が重要になるここモナコに関しては、何の心配もいらなかった。

予選では木曜、土曜ともにトップタイムで7戦連続のPP。 予選2番手のモデナ(ティレル)でさえ、金曜のセナのタイムをも上回れなかった。 土曜予選、セナは自身のタイムをさらに刻み込んだ後、 ピットに戻らずそのままモナコにある自分のマンションに歩いて帰っていってしまったほどだった。

「あのレベルに他のドライバーが近づけるとは思わなかった。 レース用のセッティングも仕上がっていたからね」

決勝レースもスタートからゴールまで文句なしの「快勝」。 最初の数周はホンダV10エンジンを搭載するティレルのモデナがセナの背後にぴたっと着くが、 モデナ自身の小さなミスや、周回遅れの処理などで次第にセナに離されていった。 ちなみに9周目、セナはコースを横切ったマーシャルに危うく接触しそうになった。 セナには過失はなかったが、非常に危険なシーンだった。

終盤には、シケインでプロストを見事にオーバーテイクし2位に上がったきた マンセル(ウイリアムズ)が追い上げてくるが、 それでも18秒の大差をつけて余裕の勝利。 また、セナ自身にも終盤にエンジンの油圧低下が見られたが、 回転数を下げ早めにシフトアップし、マシンをいたわりつつゴールまで導いた。

ゴール前後、残り周回数で何らかの誤解が生じ、 チーム側の指示でセナはウイニング・ランも全力で走る羽目になったが、 これもセナの完璧過ぎるレースに皆があっけに取られていた結果だったのかもしれない。 セナは通算30勝目、そして前人未到の開幕4連勝を達成した。 表彰式後の上位3人の記者会見でも、 レースの完璧さを物語っているようだった。

「確かにトラブルはあったけど、今回は特にコメントするのはやめるよ。 結果が全てだからね。…あとは他の2人に聞いてよ!」



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1'20"344
2位
 ステファノ・モデナ  ティレル・ホンダ  1'20"809
3位
 リカルド・パトレーゼ  ウイリアムズ・ルノー  1'20"973
4位
 ネルソン・ピケ  ベネトン・フォード  1'21"159
5位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ルノー  1'21"205
6位
 ゲルハルト・ベルガー  マクラーレン・ホンダ  1'21"222


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1゚53'02"334
2位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ルノー  1゚53'20"682
3位
 ジャン・アレジ  フェラーリ  1゚53'49"789
4位
 ロベルト・モレノ  ベネトン・フォード  1Lap
5位
 アラン・プロスト  フェラーリ  1Lap
6位
 エマヌエル・ピロ  ダラーラ・ジャッド  1Lap
 
     
FL
 アラン・プロスト  フェラーリ  1'24"368




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