1991年 フランスGP


1991年7月5-7日
フランス マニ・クール サーキット

予選:3位 決勝:3位


前戦メキシコGPではウイリアムズが圧倒的なパフォーマンスを見せ付けた。 開幕以来のマクラーレンに向いていた流れは完全に止まり、逆に追いかける立場になってしまった。 さらにここフランスでは、フェラーリがニューマシン 643を投入。 マクラーレン包囲網は厳しくなるばかりだ。

この年からフランスGPの舞台はポール・リカールからマニ・クールへと移動した。 そんな新コースで早くも力を発揮したのはセナだった。 「他のドライバーには見えないベストラインがセナだけには見えるに違いない」とは今宮純氏。 金曜予選は、シェルの持ち込んだ新ガソリンの効果もあってセナが暫定PP。

しかしセナは土曜日には不運に見舞われる。午前中はシリンダーのトラブルでほとんど走れず。 午後の予選では一時トップに立つものの、ニューマシン投入のフェラーリのプロスト、 そしてこのところマンセル以上に元気なパトレーゼ(ウイリアムズ)が次々とトップタイムを更新。

セナは最後にもう一度アタックに出るが、 その直前にグルイヤール(フォンドメタル)がコース上にオイルを撒き散らしながら走行。 これがセナに影響し、最終コーナーでスピンしながらコントロール・ラインを通過。 芸術点は満点だったが、自身のタイムをわずか0.002秒更新したにとどまり、前戦に続き3番手からのスタート。

決勝レースでは、スタートでPPのパトレーゼが大きく出遅れたが、 それに代わってマンセル(ウイリアムズ)がセナの前に割って入り、 プロストとトップ争い。セナはこの時点でウイリアムズやフェラーリにはついていけないことを実感する。

セナはその後淡々と3位を走行し、プロスト、マンセルからは大きく水を開けられる。 それどころか燃費の問題も生じ、ペースダウンを余儀なくされ、 後方からアレジ(フェラーリ)に攻め立てられる。

マクラーレンのもう一人のベルガーは、7周目に早くもエンジントラブルでリタイア。 ベルガーにばかりトラブルが生じているが、これは彼にオーバーレブが多く、 さらにホンダV12はオーバーレブに弱いためのようだ。 セナもベルガーもホンダに苦言を吐く。しかしこれもホンダを信頼してのことだったように思える。

セナはアレジとの差をうまくコントロールしながら周回を重ねていく。 結局、1位マンセルから34秒差、アレジを1秒差に従えて3位でレースを終えた。 優勝はプロストを見事なオーバーテイクで逆転したマンセル。 これで勢いづいたマンセルはこの後破竹の連勝。 一度調子に乗ったマンセルは誰にも止められない。

ポイント的には依然としてセナが大量リードしているが、情勢はウイリアムズ圧倒的有利に見えた。 セナにとっては苦しい中盤戦が続く。しかしマシンの根本的改良が行われるまでは、 我慢の走りで確実にポイントを稼ぎ、プロストのようにシリーズ全体のことを考えて、 苦しい時をしのぐ術を身につけていた。



予選結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
PP
 リカルド・パトレーゼ  ウイリアムズ・ルノー  1'14"559
2位
 アラン・プロスト  フェラーリ  1'14"789
3位
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1'14"857
4位
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ルノー  1'14"895
5位
 ゲルハルト・ベルガー  マクラーレン・ホンダ  1'15"376
6位
 ジャン・アレジ  フェラーリ  1'15"877


決勝結果

 
ドライバー
チーム
タイム・備考
優勝
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ルノー  1゚38'00"056
2位
 アラン・プロスト  フェラーリ  1゚38'05"059
3位
 アイルトン・セナ  マクラーレン・ホンダ  1゚38'34"990
4位
 ジャン・アレジ  フェラーリ  1゚38'35"976
5位
 リカルド・パトレーゼ  ウイリアムズ・ルノー  1Lap
6位
 アンドレア・デ・チェザリス  ジョーダン・フォード  1Lap
 
     
FL
 ナイジェル・マンセル  ウイリアムズ・ルノー  1'19"168




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