1992年5月15-17日
イタリア アウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ(イモラ)
マクラーレンのニューマシン「MP4/7A」の熟成も進み、ある程度の速さと安定性を維持できるようになった。
しかしマクラーレンの前には依然としてウイリアムズのハイテクマシン「FW14B」が立ちはだかる。 金曜予選は、パトレーゼ(ウイリアムズ)がマシンの不調で満足なタイムアタックができず、 マンセル(ウイリアムズ)に続きセナが1.2秒差の2位。 土曜になってパトレーゼが復調し2位浮上。土曜日は全体的に各車タイムアップならず、 結局セナもこの年の指定席の3位に落ち着く。 ちなみにパトレーゼは、 1週間前のサンマリノ・イモラテストでタイヤトラブルにより、あのタンブレロコーナーで大クラッシュ。 大事には至らなかったが、もしこの時、タンブレロコーナーに何らかの改修が行われていれば…。 決勝レースは、ベンドリンガー(マーチ)がエンジンストールしてやり直し。 2回目のスタートでは各車きれいなスタート。 セナは3位をキープしウイリアムズ勢の隙を伺うが、 マンセル、パトレーゼのウイリアムズ勢は異次元の速さでセナ以下を引き離していく。 セナは3位集団の先頭として、ベルガー、ベネトンのブランドル、シューマッハーをリードする。 その後セナだけが抜け出し、単独で3位を走行。 セナは右にC、左にDタイヤを装着し、1回のタイヤ交換を予定していた。 そして26周目にピットイン。しかし上位陣ではアレジ(フェラーリ)がCタイヤでノンストップ作戦を決行。 しばしセナの前で3位を走行。 しかしこの年のフェラーリは先進的なデザインの「F92A」を擁するが、結果がついてこない。セナは40周目、 トサコーナーですぐにアレジを捉える。 さらにセナの後ろを走っていたベルガー(マクラーレン)も続けざまにアレジをパスしようとするが、これにはアレジも抵抗。 そして2台は接触しパーツが散乱、ともにリタイアを余儀なくされた。 セナはその後も安定したペースでレースを走りきった。チェッカーを受けての完走、そして入賞は開幕戦以来4戦ぶり。 しかしセナは、シートベルトの締めすぎと、レース前にひいた風邪による脱水症状でしばしマシンから降りられなかった。 一方マンセルは全く危なげなく開幕5連勝。前年セナが樹立した開幕4連勝の記録をあっさりと更新して見せた。 表彰台にはマンセルとパトレーゼのみが上がり、セナはマシンの中で疲労困憊…。 ウイリアムズとマクラーレン、この年を象徴する対照的なシーンであった。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ルノー | 1'21"842 |
2位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1'22"895 |
3位 |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'23"086 |
4位 |
ゲルハルト・ベルガー | マクラーレン・ホンダ | 1'23"418 |
5位 |
ミハエル・シューマッハー | ベネトン・フォード | 1'23"701 |
6位 |
マーティン・ブランドル | ベネトン・フォード | 1'23"904 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ルノー | 1゚28'40"927 |
2位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1゚28'50"378 |
3位 |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1゚29'29"911 |
4位 |
マーティン・ブランドル | ベネトン・フォード | 1゚29'33"934 |
5位 |
ミケーレ・アルボレート | フットワーク・無限ホンダ | 1Lap |
6位 |
ピエルルイジ・マルティ二 | ダラーラ・フェラーリ | 1Lap |
FL |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1'26"100 |