1992年7月3-5日
フランス マニ・クール サーキット
モナコではセナ優勝、カナダではPPセナ、優勝はベルガーと、マクラーレンに流れが向きつつあるのかと思われる中で
本格的なヨーロッパラウンドが始まっていく。フランスではトラック・ストライキが起きており、
アンドレア・モーダ・チームはトランスポーターがサーキットに到着しないという事態も起きたが、
何とか金曜日からセッションは開始された。 予選が始まると、モナコ、カナダの悪い流れを完全に払拭するかのように、ウイリアムズ勢がマクラーレン勢を引き離す。 セナはこの年の指定席の3番手、マンセルに1秒以上の差をつけられる。 決勝が始まると、2台のウイリアムズ勢が好ダッシュ。セナはやや加速が鈍り、 ベルガーの後ろの4番手でアデレードヘアピンへ。 しかしここでシューマッハーがセナのインに無理矢理突っ込み、セナはその場でリタイア。 シューマッハーはフロントウイングを壊しながらピットに戻り修復。レースに復帰する。 レースは途中、雨が降り出し赤旗中断、2ヒート制で行われることになった。 レース中断中、セナは無理な追い越しをしようとしたシューマッハーに忠告をする。 「キミはまだ若いし、大変なポテンシャルを秘めている。ただし、今度のような過ちを 続けると将来はないだろう」とセナ。シューマッハーは何か言いたげに、 憮然と、そして不満そうにセナの忠告を聞く。 しかし、本当の意味でシューマッハーはセナの忠告を 素直に聞き入れていなかったことがすぐに証明される。 2度目のスタート、同じアデレードヘアピンで今度はジョーダンのモデナと接触。 今回はシューマッハーもリタイアを余儀なくされた。 セナはこの時すでに、シューマッハーの実力を誰よりも高く評価し、 将来何らかの形で自分の後を継ぎF1界をリードしていく、 そう感じていたからこそ、シューマッハーに忠告を与えたのだと私は思う。 一方でこの頃のシューマッハーは、セナを唯一の目標に、そして将来倒すべき相手として、 意図的にセナに噛み付いていたようにも感じられた。 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
PP |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ルノー | 1'13"864 |
2位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1'14"332 |
3位 |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 1'15"199 |
4位 |
ゲルハルト・ベルガー | マクラーレン・ホンダ | 1'15"316 |
5位 |
ミハエル・シューマッハー | ベネトン・フォード | 1'15"569 |
6位 |
ジャン・アレジ | フェラーリ | 1'16"118 |
ドライバー |
チーム |
タイム・備考 |
|
優勝 |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ルノー | 1゚38'08"459 |
2位 |
リカルド・パトレーゼ | ウイリアムズ・ルノー | 1゚38'54"906 |
3位 |
マーティン・ブランドル | ベネトン・フォード | 1゚39'21"038 |
4位 |
ミカ・ハッキネン | ロータス・フォード | 1Lap |
5位 |
エリック・コマス | リジェ・ルノー | 1Lap |
6位 |
ジョニー・ハーバート | ロータス・フォード | 1Lap |
リタイア |
アイルトン・セナ | マクラーレン・ホンダ | 0周、クラッシュ |
FL |
ナイジェル・マンセル | ウイリアムズ・ルノー | 1'17"070 |